はじめに

おかげ様でワライフも創業二期目をむかえ、次なる進展に向けて日々邁進中です。
さらに大きくなるワライフの、創業背景、今後の展望、代表江川の想いをつづります。
1、ワライフとは?
―――ワライフはどんな会社?
当社は、住む場所や仕事がなくて生きるのに困っている人へ『安定して住めるスタッフ寮』『安心して働ける職場』『身分証明書を手に入れるための手助け』を提供する事業を行なっています。
人手不足で悩む企業はたくさんあるんですけど、誰でも受け入れてくれる企業はほとんどないのが現状です。企業で働くには身分証明書の提出が必要だったり、決められた労働時間の中で働かなきゃいけない。でも身分証明書や住む家がない人、決まった労働時間内で働けない人はどうやって仕事を見つけたらいいと思いますか?
弊社は、そういった住む場所や仕事がなくて生きるのに困っている人に、働ける場所、住む家を提供する、唯一無二の会社ですね。
2、代表の生い立ち
―――どんな幼少期?
生まれたのは福岡です。子供のころはとにかく落ち着きがなくて、授業中も座ってられなくて、ずっと先生に叱られているような子でした。
毎日学校に母親が呼び出されていましたね。
衝動性も強く、2階から飛び降りてみたり、自分で自分の指をホッチキスで止めてみたり、何回も救急車を呼ばれていました。
母親は周りからめちゃくちゃ責められて、『あんたの教育が悪いんだ』とも言われてました。
人と違った部分があると弾かれやすいんですよね。
中学ぐらいになると自分を抑える技を覚え始めました。
友達を作るためには『自分を隠す』のは絶対に必要で、大人はこうやって友達を増やすんだっていう僕なりの学習をしちゃったんです。
『やっと友達ができた。これだ、これをやっと俺は手に入れたんだ』と思いました。でもやっぱり、自分を隠すのって辛いので、もたないんです。
―――大人になってからも苦労が多かった?
僕自身、障害者手帳を持っています。でも普通に働くこともできます。
大人になってハローワークに行った時、担当の方に『絶対に障害者雇用した方がいい』って言われたんです。自分はそんなこと少しも思ってないのに、その人は子どもをあやすような話し方をしてきて、すごく嫌な気持ちになりましたね。
こういう体験も、ワライフをつくろうと思った原動力の一つです。
3、ワライフ創業の背景
―――どんな思いで創業?
『 共通言語 』を持った人と一緒にいると、居場所が生まれると思ってるんです。
たとえば、ディズニーランドにきてると想像してみてください。
前日から楽しみにしてたし、嬉しいですよね。
たとえば、自分が今家がなくて借金取りに追われていると想像してみてください。
その状態でディズニーランドにきて楽しめると思いますか?できないですよね。
人って、帰る家がないと挑戦することもできないんです。できないことはないかもしれないけど、とても怖い。
根本的に人は『衣食住』が欠けると不安になるんです。
世の中には、たくさん稼ぎたい人もいるし、認められたいと思う人もいる。
1人暮らしをしたい人やシェアハウスが嫌な人もいる。
それぞれが居場所を見つけて、自分らしく過ごすことが大切なんです。
だから無理に自分と違う感覚の人に迎合しない。相手を変えるのでなく、自分を変えるわけでもなく、『場所を変える』。
ワライフは帰る『場所』の一つだと思っています。
―――ワライフの特徴とは?
登録するスタッフを断らないところです。
ワライフは、1日4人くらいのペースで登録するスタッフが増えています。
登録するスタッフは他所では働きづらかった人も多くて、登録するときに100円も持ってなかったり、携帯もなかったりするんです。
そういう時、僕らは彼らに『10円玉があるか』だけ聞くんです。10円玉があれば、公衆電話から0120のワライフの番号にかけてもらうことができるので。
普通、派遣先の現場で何かやらかしたらすぐにクビになるじゃないですか。僕たちはちょっとやそっとのことではスタッフをクビにしないです。
だから僕たちがしていることって『生活困窮者の支援』とよく言われるんですが、それも違う。彼らを支援しようなんて1ミリも思っていないし、彼らも支援なんて受けたくもないと思います。ただ、そういう人が集まりやすいのは事実ですね。
福祉施設や役所に紹介されてワライフに登録するスタッフが多いんですが、スタッフからも役所からも、『こんな場所があったんだ』ってすごく言われますね。
福祉の会社の社長さんに『これは僕がやりたかったことなんだ。でも、これが利益出るわけないと思ってた』って言われたこともあります。
住民票、連絡先、家。
普通どこかで働く時に必要なものを、ワライフは求めません。
うちで働きながら取ったらいいんです。
4、ワライフの目指すところ
―――創業二期目、これから目指す方向は?
これは弊社の社員に話したら目を輝かせてくれたんですけど、『ワライフのやり方を確立して、マニュアルをつくって全国に拡散したい』
って思ってます。
ワライフ1社で抱えられる入寮者数って、1000人〜2000人なんです。その数字を超えたらワライフという枠を超えて他のところでどんどん広まってほしい。利益がでないと事業は絞んでいくから、今のうちにちゃんと利益になる方法を確立して展開する。
僕はそういう風に広めたいんです。
ワライフを100か所にばらまいて散らばったら、おそらくワライフのサービスの原型はなくなると思ってます。でもそれでいいんです。
全国で求められるものも違うし、特色も違う。その土地にあったサービスが開発され、『あれ、ワライフだったらしいよ』ってなるかもしれません。
ただ、根幹にはワライフのエッセンスが残っているのが大事。
ワライフを知らない人たちにもワライフのエッセンスが自然と浸透している状態が僕の夢。
そこまでは絶対やりたいと思っていて、創業初期の今は、エッセンスそのものを一緒につくっていきたいですね。
5、最後に
―――これからワライフでともに働く仲間へメッセージ
絶対に社員が生き残れるようにするというのが僕の根幹の強い気持ちです。
だから会社としてしっかり利益をあげていくことが大事で、かつ、社員が会社に依存しすぎないことが大事ですね。
ワライフはスピード感がものすごく速いです。
創業は1年半前ですが売上は5億円近くあります。2022年の6月に寮を作ると決めて、現在すでに14棟建っています。圧倒的なスピードで物事が進んでいくので、1人1人のやれることがすごく大きいですね。弊社で働いている18歳の男の子が東京都の福祉保健局の部長と交渉してたりもします。
本当に来たら来ただけ色々やれますね。
うちの会社に来たら、死ぬほど楽しいです。
こんな面白い会社はほかにないと言い切れる自信しかありません。
ただ、そう思うのは100人中1人くらいかなとも思いますね。
もし興味を持ってくれるのであれば1回お話したいです。
多分、その勘は合ってると思うので。
インタビュアー:菅沼日菜子